【ポケモン ダブル】WCS2022使用構築 オーガザシアン

【はじめに】

お久しぶりです、カンザキといいます。
このブログは5年ぶりの記事更新らしいです。
今回は、2022年8月に開催されたPokémon World Championshipsのビデオゲーム部門・マスターカテゴリに参加をしてきましたので、大会で使用した構築を紹介します。

【使用構築】

・pokepaste
 https://pokepast.es/f3d15dd087fba577

【戦績】

カンザキ:Day1 6-2(Day2進出)、Day2 3-4(最終戦績 71位)
対戦レポートについては、別の記事にて取り上げたいと思います。

【世界大会に向けて】

私は昨年の招待制インターネット大会「PJCS2021 本戦」でWCS2022 Day1への出場権を獲得しましたが、今年は全国大会への出場権を賭けたインターネット大会で思うような結果が出ず、出場することが叶いませんでした。
全国大会開催時点では、私の実力は世界大会に出場するには到底足りないようです。
余裕がない状態からのスタートとなることは間違いないでしょう。
ということで、今回の世界大会に持ち込む構築の調整方針としては、色々なパーティを分析し検討を行った結果として、メタゲームに適したパーティを持ち込むのではなく、自分がまず使いこなせるパーティを1個をほぼ決め打ちで調整する方針がよいのではないかと考えました。
そこでやっとスタートラインに立ち、世界大会でもある程度戦えるようになるかもしれないと考えました。
そこから、最大限自分の実力を発揮できるように練度を上げていくことにします。
それでダメだったら仕方ないとして割り切ります。

【構築経緯】

全国大会開催前、まだ世界大会までは時間があったので色々な構築を使ってみて試行錯誤を行っていました。
私は元々、相手がやられる前にやるビートダウンのような構築よりかは、相手の攻撃を受けながらもしっかりと返していけるような構築が好みです。
そこで、たまたま目をつけたのがカイオーガとザシアンの組み合わせです。
5/29に開催されたてるるんチャレンジ オフライン#1で何を使おうかと検討していたところ、crystalさん(@crystral_0302)のオーガザシアンを配信で目にします。

配信を見たところ、オーロンゲで両壁を駆使しながらとつげきチョッキ持ちのカイオーガで相手の物理・特殊攻撃を受け切り、相手に大ダメージを与えていくことを主にした構築であるように思えました。
なんとなくですが、これなら自分でも使いこなせそうと考えたため、中身を推測し、大会に持ち込むことにしました。結果として、予選スイスドロー全勝(6-0)、決勝トナメ準決勝で敗れTOP4に入ることができました。
初見のプレイにしてはなかなかの手応えを感じたため、この構築をベースに検討を深めていくことにしました。しばらくこの構築を使って調整しましたが、以下の問題に直面します。

①構築が広く伝播し、こちら側に対する立ち回りが確立され勝率が落ちた。
②各ポケモンの個体で差別化を図るのが難しく、最終的にプレイへの依存度が高くなる。
③ミラーが不毛。

①については仕方ないと言える部分です。強い構築であればあるほど、対策は練られます。
②について、オーロンゲ・ゴリランダーといったポケモンの型が限定的になりえると考えました。
VGC2022については、環境が終盤になるにつれ、環境が大きく動くことはないだろうと推測していたことから、構築で差別化を図っているプレイヤーよりかはプレイへの練度が高いプレイヤーが勝つゲームになるだろうとは考えていました。それでもどこかで差別化を図りたいところです。
最後に③について、これが一番問題視していた部分です。
てるるんチャレンジ オフライン#1もミラーで敗北しましたが、対戦してみて選出択・プレイがとにかく難しいと考えました。
ただ、ここからある程度の手応えを感じた構築を捨てる勇気はなかったため、①~③を改善するためにはどうすればいいかということを検討していきます。
まず、着眼したのが電気タイプの枠です。
一般的にはボルトロスとサンダーが採用される枠ですが、この2匹のポケモンダイマックス前提でやや動かしづらいと考えていました。そこで、目をつけたポケモンがレジエレキです。
レジエレキは相手のボルトロス・サンダーに対して強く出れる枠であり、ダイマックスしなかった場合にもかみなりを採用することによって、カイオーガ等をダイマックスさせる前提の選出を行った場合でも選出できるのはでないかと考えました。
かみなりという技は通常、雨でないとただの命中不安技となりますが、今回はカイオーガを採用していることで必中となり、うまく利用することができそうです。
これにより、③の点が解消するのではないかと考えました。
順番が前後がしますが、②について私はカイオーガとつげきチョッキ持ちの個体を使用したいとずっと考えていました。そうすると、ゴリランダーはきせきのタネ持ちの型、オーロンゲは壁持ちの型で固定化されることを懸念しました。ゴリランダーは使ってからずっとうまく扱うことができていなかったので、ダイマックスできてトリトドンに強い枠があればと思い、カミツルギに白羽の矢が立ちました。また、オーロンゲについてはカミツルギとの相性が悪いこと・先発にしか出せないと思い使いづらさを感じてた部分からエルフーンに変更しました。
ここらへんで6匹が固まったので、あとは対戦しながら細かい部分を調整していきました。
最終的な方向性として、メタ筆頭となるオーガザシアンに対してミラーでは最強、その他全般の構築に対しても各ポケモンの単体性能の高さを活かして戦えればと思って構築を詰めていきました。

【個別解説】

カイオーガ

ひかえめ 187(92)-*-114(28)-209(156)-161(4)-139(228)
しおふき/こんげんのはどう/れいとうビーム/かみなり
S:追い風で最速レジエレキまで抜けるライン
C:可能な限り高く
HB:残り(最低限分)

CSベースのチョッキカイオーガです。
ダイマックスしてもしなくても火力があったほうが嬉しいと感じる部分が多かったので、
このような配分となりました。
Sはやや過剰だった気がするので、130程度まで落としてもよかったと感じています。

持ち物は採用理由であるとつげきチョッキ
圧倒的な耐久と技範囲の広さで相手を圧倒します。

技については、基本の4ウェポンで確定。
チョッキでフルアタにして範囲の広さを取りたかったというのも大きな理由です。
れいとうビーム/かみなりのどちらかを切ると、汎用性が失われると考え他の技を採用することにはしませんでした。

他に採用の余地があったと感じた技

はかいこうせん
 上述した通り、技範囲の広さを優先したいと考えたため、不採用となりました。 

ザシアン
いじっぱり 199(252)-231(156)-140(36)-*-143(60)-169(4)
きょじゅうざん/せいなるつるぎ/でんこうせっか/まもる
HB:A238白バドレックスのダイアース耐え
HD:C167レジエレキの珠ダイサンダー(140)を結構耐える
S:後述するカミツルギのS-1

HAベースのザシアンです。
パーティ全体で耐久が高いポケモンが少なかったこと、
ザシアンの不毛なS合戦には参加したくないということから、
Sラインを最低限にまで引き下げ、耐久と火力に振りました。
いまだにこれが正解だったかは正直自分でもわかっていません。

持ち物はザシアンなのでくちたけん固定。

技については、基本となるきょじゅうざんとまもるは確定。
サブウェポンとしてディアルガソルガレオカミツルギに対抗できるようせいなるつるぎ
最後に削り切れなかったポケモンをスイープできるでんこうせっか

他に採用の余地があったと感じた技
・じゃれつく
 残念ながら自分には採用するという発想がありませんでした。
 ただ、day1の配信卓で技が割れていたこと・day2のメタゲームを考えて採用する価値は十分にあると感じました。
 もし、もう一度day2があるならじゃれつくを採用したいと思っています。

レジエレキ
ひかえめ 155-108-83(100)-167(252)-70-240(156)
かみなり/エレキネット/とびはねる/まもる
HB:ザシアンのきょじゅうざん+いのちのたまダメを耐える
S:レジエレキのダイジェット1回で最速ボルトロスのダイジェット2回が抜けるライン
C:残り(火力特化のため全振り)

よくあるダイマックスで戦うことを主体としたレジエレキ。

持ち物は火力を最大限引き出せるいのちのたま。

技については、ダイマックスしなくても素で高火力を出すことができるかみなり。
相手より先に打ててS操作ができるエレキネット。
ダイジェットの打ち合いになったときに対抗できるとびはねる。
残りの枠としてまもる、ですんなり決まりました。

他に採用の余地があったと感じた技
はかいこうせん
 そこまで交代を多く行わないことから、相手にデバフをかけるよりも、
 自身にバフをかけたほうが強いと判断したため、不採用となりました。

余談ですが、今回の大会で使ったレジエレキは元々A0の色違い個体でした。
大会のために泣く泣く王冠を使ってA31にしました。
day2まで行くことはできたので、もったいなかったなあと思わずに済みました。

カミツルギ
ようき 135(4)-223(172)-152(4)-*-67(124)-170(204)
リーフブレード/スマートホーン/せいなるつるぎ/つばめがえし
HD:ひかりのかべ込みでダイマックス状態でホワイトキュレムのC222珠ダイアイス耐え
S:前述しているザシアンのS+1
A:残り

耐久を最低限にし、火力をあげたカミツルギ
Dを限りなくあげて耐久に寄せる配分もありますが、
調整段階で火力不足がしばしば見受けられたので、火力を限りなくあげました。

持ち物は、カミツルギ自身があまりサイクルできないことから、いかくに対してケアの効くしろいハーブを選択。

技については、対応範囲の広さを取るために基本の4ウェポンとしました。

他に採用の余地があったと感じた技
・みきり
 シンプルに技スペースがありませんでした。
ギガインパクト
 レジエレキのはかいこうせん不採用の理由と同じ理由です。

余談ですが、世界大会のために色違い個体を使いたいと思い、
飛行機の中で色違い厳選をずっとしてました。光りました。

ガオガエン
ようき 171(4)-167(252)-110-*-110-123(252)
フレアドライブ/ダメおし/ねこだまし/ちょうはつ

影のMVP。
耐久に振らず、火力と素早さに特化したガオガエンです。
調整当初から、以下の点から最速で使っていました。
 ①当時採用していたグラードンに対して上から鬼火を打てること。
 ②白馬パルキアに対して相手のガオガエンより先にねこだましが打てる可能性があること。
①について、このパーティは積極的にサイクルするパーティではないため、
すてゼリフが有効に働かないのではと考えていました。
それだったら、先に鬼火を入れて相手の火力を削いでからサイクルができると考えていました。
いかく+やけどが入った物理ウェポン持ちのポケモンは大体一度下がっていったので、
そのタイミングでサイクルするタイミングが生まれたと思っています。
②について、白馬パルキアは最速タスキガオガエンが一般的だと思っていたため、
先にちょうはつが打てたら大きいと感じていました。

配分については、当初はHSで使用していましたが、
HSでもASでも2発しかそもそも攻撃が受からなくて変わらないと感じたため、
ASで使用することにしました。

ASにしたことによって、相手のザシアンにフレドラを打ったらそのまま倒れたりしてとてもいい活躍を見せてくれました。
また、配信卓でも削れたグラードンを削り切ってくれました(HSだと落ちない)。

持ち物は、2回動くためにきあいのタスキを選択。

技については、タイプ一致ウェポンのフレアドライブ
安定のねこだまし
対トリル用にちょうはつ。
残りの一枠には鬼火を採用していましたが、
なくても不便じゃないということに気づいた点、
火力を上げるなら2ウェポンあったほうが強いという点から
ルナアーラトリトドンを意識してダメおしを採用しました。

他に採用の余地があったと感じた技
 ・DDラリアット / じごくづき
  悪技については何がいいかわからなかったので、
  友達に勧められて特に深く考えずダメおしを使用していました。

エルフーン
ずぶとい 167(252)-*-134(132)-98(4)-110(116)-137(4)
ムーンフォース/おいかぜ/あまえる/ひかりのかべ
HB:A-1ザシアンの特化きょじゅうざん耐え。
CDS:残り。

サポートに特化したエルフーンです。
オーロンゲとの差別化は先発で盤面を整えること、
後発でもおいかぜで切り返しができることが大きいと考え採用に至りました。

持ち物は、ダイジェットの前に1回で落ちないようバコウのみを選択。

技については、おいかぜは確定。
残りは味方をサポートするあまえる、ひかりのかべ
最後に細かい削りが入れられるムーンフォースを採用しました。

他に採用の余地があったと感じた技
エナジーボール
 対トリトドン用。
 エナジーボールを綺麗にトリトドンに打てる盤面が調整段階で発生しなかったので、
 汎用性のあるムーンフォースを採用しました。
・くすぐる
 巷で使われているのは知っていましたが、
 エルフーンがタスキ持ちではなかったことから、
 きょじゅうざんを一発もらって倒れることを嫌って採用しませんでした。
 ただし、実際に調整して確かめられたわけではないので、きちんと確認するべきだったかなと思います。
 この部分も確かめられて採用の価値があったと見いだせていたならday2行くにあたって変えてもいい部分だったかもしれません。
・なやみのタネ
 採用する発想が浮かびませんでした。

【選出】

ざっくり書きます。

・基本選出
 
 
 基本選出というか、悩んでどうしようもなくなったとき。

・オーガザシアン
 ロンゲ入り
 
 
 エレキもツルギも強いので、カイオーガを持っていく必要があまりないと感じました。

 トルネ(ツルギランド)入り
 
 
 ランドは1本目大体出てこないので、追い風エレキネットからカミツルギに頑張ってもらいます。
 
 エルフ入り
 
 


グラードンザシアン
 
 
 
 気合です。

・黒馬ザシアン
 
 
 正直、選出択だと思っていたのであまり深く考えないようにしています。

・ルナグラ
 
 
 つらいです。気合です。

・白馬パルキア
 
 
 
 なんとかします。

【おわりに】

3年ぶりの世界大会開催、かつ自身では初めてのビデオデーム部門への出場となりました。
ものすごくいい結果が残せたわけではないですが、自分で構築を考え世界大会にある程度通用する形へ持って行けたこと。day2を賭けた配信卓で勝てて映像に残ったことにとても満足しています。
もっと細かい話は、剣盾総括記事を執筆する予定ですので、そのときに書こうかと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
記事に関する質問等あればなんでも答えますので私のTwitter(@Kanzaki_poke)までどうぞ。